人間性と倫理観の欠如

穴があっても入れない人へ

告解の性質は甘美

死の味の煙草が、パチパチと音を立てて燃焼する。  

 

「お線香は仏様のご飯でしょ?」

 

私が過去に言ったことを、

まるっとそのまま口にしてくれる。

 

死の後味は甘いらしい。

向こうに行った私たちの友達も、

甘い煙を食んでいるのかな。

 

雨が降っているのに、外はすごく寒いのに、

煙草を吸い終わった後もしばらく

ふたり黒い傘の中で話していた。

そういう時間をくれることが嬉しかった。

それは確かに、自分を、過去を、記憶を悼む時間だったと思う。

 

神様にしてくれた人に、人間宣言をしてしまう。

 

手の中に握っている、小さな硝子片みたいな。

ちっぽけな弱みを曝してしまう。

 

高潔と言われたことが、

嬉しくもあり、怖くもあった。

ボロが出てしまわないうちは、

高尚ぶって、猫を被ろうと決めていた。

まだ君の中で高潔であれているだろうか。

 

 

潔癖症らしい。

部屋は散らかっているけど、そういうことじゃない。

 

食事の前に本屋さんに誘われても、

1冊も触れないとか、

好きな人とキスができないとか。

 

いつからこうなったかは分からない。

 

潔白と対を成すノイズの話をした。

私より余程、清潔だった。

綺麗だと思った。羨ましかった。

 

 

たぶん私は向こう8年くらい

バグったまま生きて結局死なない。

 

8年後までインターネットが規制されませんように。