放熱1濾過
夏の葬式すら終えた。
自殺への願望が全く消え失せてしまった。
あんなに死にたがっていた自分に対してなんだか申し訳ない気分だ。
生きていたくない、と思うときはあるが、
どうやって死のう、いつ死のう、遺書を残そう、持ち物を捨てよう、
という気にはならない。
去年捨ててしまった上着を安い賃金を叩いて買い戻したいのは
つまりそういうことだと思う。
涙腺の元栓が壊れていたのもどうやら直ったらしい。
枯れた1年を取り戻すかのように、今ではほぼほぼ毎日涙を流す始末だ。
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視認ができない、聴覚や鼻腔、味覚・触覚になんの刺激も与えないものを
どうやって信じろと言うのか。
上辺じゃ嫌だと言う割に深層を理解するのが怖い。
ただただ箱に押し込められることと
防衛に一役買っていただけることと
コレをアレしてもらえることとでは
全く意味が違ってくる。
一見すれば全部同じに見えるかもしれないが
絶対に違うと思いたい。
もしかしたらあの時すでに言葉を使い果たしてしまったのかもしれないね。
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きっと破綻は間もない。
そう信じていないと間に合わないのだ。
甘くて突飛な冗談ですら真に受けるくらい困窮していた。
普遍は脆弱で異常は強靭だ。
世間は常に理不尽なのに、それを一番わかっていた筈なのに、
暫くやさしいだけの世界に触れ続けて
世間との向き合い方が、戦い方が、歩き方がわからなくなってしまった。
指針を示してくれる人が怖くて、
優しい人に全体重を預けて潰してしまうのが怖くて、
でも怖がって俯いたままでは叱責が飛んで来るので、
なんとか手探りで歩を進めるわけで。
自由は凶器だ。
状態異常が回復することは精神の安全を脅かす。
生活の安全と精神の安全は比例しない。
混線が回復したと思ったら逆戻りだ。
遅効性の毒で苦しむくらいならいっそ劇薬で殺してほしいまで。